20年以上前、筒美かえでは旅館で女将をしていた。しかし仲居の紅月ひかりに夫を寝取られ、かえでは旅館を飛び出していった。残されたひかりも夫に先立たれ、旅館を一人で切り盛りすることになった。月日は流れかえでが故郷の旅館を訪れると、そこには疲れきったひかりがいた。かつて一人の男を巡り争った二人は、時を経て人生に疲れいつしかお互いを共感しあうようになっていた。